弱さを受けとめる





弱さを受けとめる



ロケット博士として有名な糸川英夫氏が若い頃、家庭教師をし始めた時のことです。算数が苦手というその男の子たちは、問題を解いている時、間違えたと思うやいなやすぐに全部消しゴムで消してしまう。これでは算数が出来るようにはならないと思い、これからは消すのでなく×印をつけるように、と指導したということです。すなわち、自分がどこでどう間違えたのかを、しっかり覚えなさいということだったのです。その後も、相変わらず消しゴムで消す子もいましたが、言われたとおりにした子は、その後成績もぐんぐん上がっていったそうです。

ちょうどこの男の子たちの様に、私達にも自分の失敗や過ち、欠点を消し去ってしまいたい、ごまかしたいという思いがあります。人から見られない様に跡形も残さないで、私には何も間違ったところはありません、というようにしたいのです。あたかも今ミスなんかしなかったかのように、苦労して書いたものをあっという間に消しゴムで消してしまった子供と同じ様なことをしているのです。しかし、実はこれが私達の成長を妨げるもととなっていることに、気づく必要があります。私達がまず自分の弱さを見つめ、受けとめていく時初めて、そこから変えられ成長していくことができるのです。もし私達が自分の欠点・弱さを受けとめられる様になるなら、人の欠点をも受けとめることが出来るようになります。人を批判したり、欠点を正そうとする代わりに、人の弱さ、欠けを補いあうことが出来れば、スムーズな人間関係となっていくのではないでしょうか。




弱さを受けとめられない理由



しかし現実には、弱さを受けとめるのは難しいことを体験します。子供に対しても、「ああしなさい。」「こうしなさい。」と一生懸命子供を変えようとし、欠点を指摘しては直そうとします。ところが、どうでしょうか。結果を見るとちっとも変わらないので、今度は自分の方がイライラしてくる。そんなことの繰り返しです。子供に限らず、夫婦や家庭のなかで、相手の欠けや弱さを受けとめ、補い合うことが出来れば暖かい良い関係が築けると分かっていても、実際の生活ではなかなかそういう気持ちになれないのです。

なぜでしょうか。それは、私達自身の内に精神的な幼児性が残っているためなのだ、ということを知って下さい。もしもあなたが子供の時に、親から丸ごと受け入れられたという経験がなければ、他の人をそのまま受け入れることは難しくなります。親は子供に対して「こうなって欲しい。」という理想を持ち、それに従って育てようとします。ところがそれ故に、しばしば子供を一つの枠にはめ込もうとしてしまうのです。その時いつのまにか子供は、親の気にいる様に行動し、親の気に入る自分を演じる様になっていきます。親のいうことを何でもハイ・ハイと聞くいわゆる“良い子”ほど、本当は気を付けなければなりません。結果として、自分のない、主体性のない人間になってしまい、いったい本当の自分がどれなのかさえ分からなくなってしまうのです。

いつも人の目を気にした、作られた自分・・本来の自分でない自分を受け入れることは、とても難しいのです。自分自身を受け入れられないで、どうして他の人を受け入れることができるでしょうか。良い人間関係を持つためには、まず私達が自分自身を正しく受けとめていくことが大切です。では、そのためにはどうしたら良いのでしょうか。




弱さを受け入れるために



「恐れるな。わたしはあなたとともにいる。たじろぐな。わたしがあなたの神だから。わたしはあなたを強め、あなたを助け、わたしの義の右の手で、あなたを守る。」(イザヤ41:10)

自分を責め、自分はダメだと思ってしまう私達が、弱さをも含めたそのままの自分を受け入れるためには、まず誰かにあるがままの自分を受け入れてもらうという体験を持つことが必要です。すべてを含めて、そのままのあなたが大切だと言ってくれる人を持つことによって、だんだんと本来の自分を取り戻し、そこから初めて弱さをも含めた自分自身を受けとめていくことが出来るようになります。しかし、それを自分の親に求めたとしても、難しいでしょう。むしろがっかりし、傷ついてしまうだけに終わるかも知れません。

自分の親に求める代わりに、あなたを創り、あなたを丸ごと愛し受けとめて下さっている神様ご自身に、あなたの親になっていただくのです。聖書の神様は、弱さを持ったままのあなたを愛しておられます。自分で自分がイヤだと思うことを一つ一つ神様に申し上げ、「こんな私をも愛していて下さることを感謝します。」と祈ってみて下さい。少しずつ自分が解放され、平安な気持ちが心の中に広がっていかれることでしょう。それと共に、あの人のここがイヤだと思っていたところが、だんだん気にならなくなり、そのままに受けとめられる自分がいることに、ある日気がつかれるでしょう。

心を開いて神様を心にお迎えし、あなたの親(天の父)になって頂いて下さい。その時、あなたがこんな自分はもうイヤだと、どうしようもない思いに駆られる時でさえ、神様は『恐れるな。わたしはあなたとともにいる。』と、あなたに語り続けて下さるのです。

「たとい山々が移り、丘が動いても、わたしの変わらぬ愛はあなたから移らず、わたしの平和の契約は動かない。」とあなたをあわれむ主は仰せられる。」(イザヤ54:10)

人の心はすぐに変わります。しかし、神様は決してあなたを離れない、と聖書は語ります。この神様にあなたの本当の親になって頂きましょう。あなたをそのままに受け入れて下さる神様の愛を受け取る時、あなたもあなた自身をそのままに受け入れることが出来るようになります。その時あなたは、周りの人の弱さや欠けをも受け入れ、それを補っていく暖かい人間関係を持つことの出来る人へと変えられていくのです。




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